南相馬に行ってきました(1)

※この地図はGoogle map、Wikipedia 常磐線、経済産業省「新たな避難指示区域設定後の区域運用の整理」福島県帰宅困難区域等迂回情報を参考に作成しました。

6月に南相馬へ2泊3日で行ってきました。

震災後、被災地に行きたいという気持ちはあったのですが、迷惑ではないかとか、交通が復旧しているのかわからないとかで二の足を踏んでいました。代休が貰えたのを期に、ネットで見つけた南相馬の社会福祉協議会にメールをしてみたら、急な連絡にも関わらず親切に返事があったので行ってみることに。

私の体験したボランティアは2種類で、1つは鹿島地区の仮設住宅のサロンへの参加、もう1つは小高地区での住宅の片付けの手伝いです。最初はサロンだけのつもりだったのですが、他のボランティアさんに小高も見ておくといいよ、と勧められたので最終日に行きました。

ということで1日目。ここからは日記風に。

東京から新幹線で福島へ。東京駅でホームを間違えて新幹線を1本逃し、福島駅での乗り換え時間が10分しかなくなるという事態に。新幹線内でiPhoneを使って福島駅構内図を一生懸命予習。新幹線がホームについてドアが開くとややダッシュで東口バスターミナルへ。意外と余裕で、乗る前に切符まで買えました(バスは後払いで、現金でも支払い可能)。バスに乗って南相馬へ。バスの中にいたのは5-6人位。結構な山道で、iPhone(SoftBank)はほぼ圏外。

南相馬到着。「南相馬」という名前をニュースで聞きすぎていて、「放射線に汚染されたゴーストタウン」というイメージが勝手にあったけれど、至って普通の地方都市という印象。駅の前には結構立派な図書館もある。南相馬にある原ノ町駅から常磐線で鹿島へ。原ノ町駅で30分程時間があったので、社協さんへ確認の電話をしたり、駅の売店でパンを買って食べたり。

鹿島駅。駅を出たところにこんなポスターがあったので撮ってみたけど、色が日光で焼けてしまっているところをよく見たら共産党のポスター。

 

震災後、福島の投票ってどうだったのだろう?徒歩15分程で社協へ。スタッフの方が暖かく迎えてくれる。みなさんボランティアの受け入れも慣れている印象。てきぱきとこれから行く場所を割り振ってくれて、「注意事項」が書かれた紙を渡される。サロンは平日1日2回あって、午後の部に参加させてもらうことに。ソファで待っている間、他のボランティアさんと話す。その方は、旦那さんのお仕事で北海道から南相馬に移住して、ボランティアをしているとのこと。壁に放射線量を示した地図が貼られている。鹿島地区は0.3μSv/h未満。(多分、こちらで公開されているものと同じデータです。)

仮設に社協さんの車で連れて行ってもらう。社協のスタッフの方1人と、私。サロンでどんなことをするかについてもとてもフレキシブルで、私が持参した簡単な和綴じを実演することに。いきなりでやや緊張。なにも用意してなくても、社協さんで予め用意しているレクリエーションを手伝わせてもらえる。

仮設の中の集会スペースは、テレビがあったり、本棚があったり。木の床で落ち着く感じ。手作りのフクロウや猫が飾ってある。テレビがローカルの放送を流していて、どこかの体育館での記念式典とか、相馬のゆるキャラが映っていた。浄水器をつけている蛇口がここだけなので、時々住んでいる人が水を汲みに来る。

人が三々五々集まってきて、お菓子とお茶の用意。参加する人は、参加費100円を払う。お金を払ってもらうことが、自立支援の一環との由。
住民の方の雑談に参加させてもらう。ひまわりは除染には役に立たなかったとのこと。

自分が今まで作った製本を参考に見せて、和綴じのノートを実際に作ってみる。ご自分の服を作ってしまう程器用な方がいらしたので、ものたりなかったかも。みなさん手先が器用だし、積極的に楽しそうに作ってくださる印象。次来る時は、もうちょっとレベルの高いものを持ってきたいと思った。

ちょっと時間が余ったのでまた雑談。プランターに何を植えたとか、散歩に行くとか、そんな話。震災の話も出る。地獄だった、あんな目に合うとは、といった話。その話題を避けているというより、何度も反芻することで自分の中で落としどころを探っているのかもしれないと感じた。お願いして、記念写真。

 

サロンが終わってお片づけ、お掃除。

集会所を出たところに男の子が居て、近くの川で捕まえた「かなちょろ」(かなへび?)を見せてくれる。仮設は年配の人が多いイメージだったので子供がいたころにちょっと驚きつつ、子供元気だなあと思う。

仮設のそれぞれのお宅の前には、プランターがあって、草花が良く手入れをされて植わっている。もともと農家の人が多いから、なにかしていないと落ち着かないらしい。

また車を運転してもらって社協に戻る。

泊まるところを決めていなかったのだけど、結構どこも一杯。本当はこういった斡旋はしないのだけれども、と前置きしながら 結局社協の方が民宿を案内してくれる。お世話になりっぱなしで、ボランティアをしに来たのか遊びに来たのかわからん、というかんじ。

民宿のご夫妻は、元々が栃木出身で、自給自足の暮らしにあこがれて福島に来たところを被災されたそう。たまたま海から離れた所の家を買ったので大きな被害はなかったとのこと。

自分の故郷でなくても、南相馬の為に尽力されていて頭の下がる思い。

手料理の晩ご飯を頂く。どれもおいしかったです。

東京から南相馬への公共交通機関アクセス

東京→福島 新幹線で約1.5時間 時刻表

福島→南相馬(=JR 原町駅前広場) バスで2時間 時刻表

原町→鹿島 JR常磐線で10分程度 時刻表

(常磐線は震災の影響で不通区間がある。詳しくはwikiにて。)