ミヒャエルボレマンス@原美術館

久々2回目の原美術館

原美術館は建物とかカフェとか中庭とか、展示物以外にも魅力にあふれています。

予備知識なしで行ったボレマンス。

写真出身であるがゆえなのでしょうか、静物画の光と影の捉え方、ぼかしによって時間までも感じさせる描画が美しいです。

人物画は殆ど全てのモデルが目を伏せて描かれていて、それが静謐な、物憂げな雰囲気を出しています。

展示のメインイメージとしても使われていた上の作品は、人物が透明の仮面をつけていて、人物ジャンルと静物ジャンルのよきマリアージュというか、その質感が秀逸です。

フランシスベーコンは観る人と作品との距離感を出す為に、あえて厚いガラスに作品を収めて展示することを好んだらしいのですが、これもそれに近い感じなのでしょうか。でも、哲学や文学者に好まれるベーコンの命題性のようなものがボレマンスには欠如しているような気がしていて、その空虚さであったり、インテリアとしても優秀そうな感じだったりが、この人の作品の魅力な気がします。キレイな写真集を揶揄してコーヒーテーブルブックと呼んだりしますけど、ちょっとそんな感じ。でも別に私はバカにしているわけではなくて、その軽さが現代的だなあと思うのです。

私の好きなLuc Tuymansにもどこかにてる気がしていて、なんでしょうね、ベルギーの国民性や時代性というものがあるのかもしれません。