シンゴジラ
ネタバレありです。
カタストロフィ映画ってアメリカだろうが日本だろうが荒唐無稽なのとパトリオティズムが鼻について、興味なかったんですけど。
呑川を遡上するゴジラにボートが押し流されるところとかどうしても3.11を思い出して泣きそうになってしまい、映画というよりも震災のドキュメンタリーを見ている気持ちが強くなりました。原爆(&ビキニ環礁)-オリジナル版ゴジラと、3.11(原発事故)-シンゴジラという対比に、みんな無意識にあの惨禍に対しての救いというか、フィクションやエンターティンメントはどう落とし前をつけるのかという答えを教えてもらった気がして快哉を叫んだんじゃないでしょうか。
私は自分の政治的傾向をリベラル、右か左で言えば左だと思っているんですけど、3.11以降すこしずつ民主/民進党にがっかりさせられてきて、今回の都知事選でほんともう「これかよ」っていうね。原発は減ったほうがいいし、それに代わるグリーン・エネルギーは増えたほうがいいと思う。でも今ある原発をどう廃炉に導いて、残った核燃料をどう処理しようとしているのか、寡聞にして私の耳には入ってきていなくて、何かヒステリックな反原発運動や、まるで穢れのように福島県産の食品を扱うのを見かけると、本当に虚しい気持ちになります。
自衛隊や米軍を投入してばんばかゴジラを攻撃するシーンのカタルシスとかは割とどうでもいいんですけど、非・武力的な手段で最終的な解決を見出したところに、この映画の意義があるし、そこはオリジナルのゴジラを超えている、とおもいました。