ホーム > 本


東浩紀氏の初小説。(あ、モウラで連載してるやつだいぶ前から止まってますね。あれけっこう面白いのに)
一度さらっと読んで、むずかしくてようわからーんとなったのだけど、とりあえず現時点での感想を備忘録的に書いときます。

第一印象。筒井康隆っぽい。
読了してないのですが、パラレルユニバースネタとして、「夢の木坂分岐点」を彷彿とさせます。多分これだけだとジャンルとして確立もされていて、特に新鮮味はないのですが、実感としての「あったかもしれない別の人生」と、量子コンピューターによって生み出されるパラレルユニバースを重ねているところが面白いと思いましたです。
年を取ってだんだん自分にがっかりしてくると(多分してなくても)、別の人生というか、「あのとき取れた別の選択肢とその先にあったであろう可能性」に思いを馳せるようになります。ストーリーの上でそういう下地作りをしているから、量子コンピューターとか、自分の世界では生まれなかった子供とかが出てきても結構すんなり受け入れられます。

村上春樹氏を引用していたのはちょっとびっくりしました。まあでも春樹も二つの世界が関係しあって一つの物語を編んで行く、みたいなストーリーをよく書きますものね。でも春樹のばやいは、二つの世界は平行ではないなあ。あっちの世界とこっちの世界というか、あっちの出来事がこっちに現実として投影される、みたいな感じですよね。ねじまき鳥とか。
対して、クオンタム・ファミリーズのふたつだかみっつだかの世界は、あくまで可能性論として展開できるところに特徴と魅力がある気がします。

ポストモダンとか脱構築とか論じていた人が、小説を書くってすごくやりづらいんだろうなとおもいきや、結構さらっと「氷の柱を背中にいれられたよう」とかベタな表現を使うのだなと思いました。ああ、でもこれも確信犯的にわざとベタにしてるのかもですね。

ストーリーが開始される前に、資料としていくつかの文章が示されています。(こちらも小説の一部ですけど)個人的には、こういう資料だけがだーっと羅列されていて、読者がそれをパズルピースみたくはめてく小説を読んでみたいです。東氏の文章は、こういう記事っぽい書き方をしている時がもっとも魅力的に感じられるので。

SFって過去のジャンルというイメージでしたが、そこにあらたな一石を投じる作品になりそうです。

2010年1月24日 23:53 | コメント(0) | トラックバック(0)|


yakumo.jpg
「北神伝奇」、「木島日記」に続く大塚英志・作、森夏美・画の伝奇三部作、「八雲百怪」2巻がもう発売されてました。史実と創作の境目を読み解ける程の知識は私にはないのですが、毎回奇抜なストーリーと美しい絵で楽しませてくれます。

「舞姫」がベースになっているエピソードが、自分が捨てた女性に未練を見せる優柔不断な森鴎外を描いていておもしろいです。

comic book "Yakumo Hyakkai", written by Eiji Otsuka and Illustrated by Yoshinatsu Mori is out now. The main character in the story is "Yakumo Koizumi", who really was around in Meiji Japan. He was originally a Scotish, who decided to live in Japan to collect indigenous ghost stories. The comic book is not necessarily historically accurate but delivered with imagination and a pinch of bitter humor.

2009年7月28日 19:07 | コメント(0) | トラックバック(0)|


たまたま以前観た「プロフェッショナル」が書籍になっていたので読んでみました。

すごい人がいるものですね。
話の筋は番組と一緒だったのですが、木村さん一家の過去の困窮ぶりがよりリアルに詳しく書かれています。「無農薬栽培」なんて簡単に言うけど、きれいごとでは全然ないのですね。歯を失ったエピソードも激しいです。

消費者から直接オーダーを受けているという木村さん。農作物の流通も改革してしまうかも。

2009年4月15日 18:57 | コメント(0) | トラックバック(0)|


homura.jpg著・穂村弘

この人の文章は雑誌でみかける度に気になっていたので、買いました。

自らを「素敵でない」と言い切るこの人に、
居直るな!という気持ちと、
駄目人間を代弁してくれてありがとう という、
二つの感情が湧きました。

よのなかにはきっと、彼が伝えんとしているとまどいとか、いたたまれなさに無縁の人も沢山いると思います。でも私はこういう「つまづき系」の人には同族嫌悪がありつつ、どうしても惹かれてしまうのです。

2008年10月17日 16:19 | コメント(0) | トラックバック(0)|


seibutsu.jpg『生物と無生物のあいだ』/福岡 伸一 著

本当に久しぶりに、読破した本です。
「生物とはなにか」の最先端を研究していた著者が、意外な研究結果から得る結論はなぜか「感覚的に」読者の腑にすとんとおちます。生命のしくみの計り知れなさにひざまずく著者の謙虚な姿勢には、感動的なものがありました。

2008年6月11日 11:20 | コメント(0) | トラックバック(0)|