これも自分と認めざるをえない展

やっと行ってきました。佐藤雅彦氏ディレクションの “これも自分と認めざるをえない”展 @21_21。

このタイトルの感じって、すごくブンガク的な命題だなと感じて、それと(私から見ると)対極にある佐藤氏のスタイルがどのような形で展示物になるのか、気になっていました。
展示を見てなるほどね、という感じ。体験型の展示が多くて、混んでいたために3つほど飛ばしてしまいましたが、すごく佐藤雅彦氏らしいというか、非・情緒的。
「キーワードは属性」とあるように、身体的なスペック(身長とか、体重とか、顔とか)で「個」を認識する技術がメインの展示でした。 おもしろい、とか、すごい、とは思ったものの、もうちょっと「ぐっとくる」ものを期待していた私はちょっと食い足りなかったです。「手紙を書こう」とかは、アイディアはユニークですけど、オチそれ!?ていう気がしてしまいましたし。まあ、佐藤雅彦氏の魅力はその非・情緒性にあると思うので、求めるものがそもそも違いますね。
個人的に一番面白いと思ったのは「exactitudes」という展示。コレ昔確かtank誌で見たことがあって、その時は全然イミが分かっていませんでした。5年ぶりくらいに昨日、謎が解けたという。
作品は町中を歩いている人達をややムリヤリな感じでカテゴライズするというもの。このそっくりさ加減がどこまでディレクションされているか分かりませんが、このソーシャルグループの名前は?と当てっこをするとかなり楽しいです。他者が見る自分と、自分が見る自分の乖離をこれほど痛く突きつけてくる作品もなかなかないです。人は他人のことをカテゴライズするのは大好きな癖に、自分がカテゴライズされることには強い抵抗を覚えるものです。だって、誰だって自分のことを「分かりやすい」「陳腐な」存在だとは思いたくないですものね。
作者は「ヨーロッパ」に住む「白人」なので、その視点からのカテゴライズであることを感じられるタイトルもちらほら。(中国系の人を十把一絡げにワンさんって、それはないでしょうよ)それもどこまで意識的にされているのかは謎です。「日本」に住んでいて、「黄色人種」で「女性」である私には彼らの目から見た時、どんなカテゴリーに入れられるのか気になるところ。